百日紅(サルスベリ)は、街路樹や庭木としてよく植えられている樹木です。季節によって花が咲いたり、実を付けたりとさまざまな表情が楽しめます。

今回はそんな百日紅について、季節ごとの変化や名前の由来花言葉などをご紹介します。さらに、百日紅を庭木として植えたい人へ向けて、育て方も簡単に解説します。ぜひ最後までご覧くださいね。

百日紅は季節で違う表情を楽しめる

百日紅は、季節ごとに違う姿が見られるのが魅力です。時期によって変わる百日紅の特徴をご紹介します。

夏は花を咲かせる

夏は百日紅の開花時期となります。7月〜10月中旬頃まで、濃いピンクや紅色の花を咲かせます。暑い夏であればあるほど、開花期間が長く、たくさんの花が咲き誇る傾向となります。

また、百日紅は暖かい地域では街路樹として植えられることがあります。街路樹に選ばれる樹木は、丈夫でなければなりません。街路樹が植えられる場所は、常に日差しや風にさらされています。さらに、人が行きかう街中のため空気が汚れていることもあるでしょう。そのような環境でも、スクスク育つ強さが百日紅にはあります。

秋は紅葉、冬は実をつける

百日紅の花が咲き終わると、紅葉の季節となります。ただし、百日紅は必ず紅葉するわけではないそうです。環境が良いときに限って、綺麗な紅葉が見られます。

の百日紅は、蕾のように大きな実をつけます。実は最初は青く、熟すにつれてこげ茶色に変化します。実の中には種が詰まっており、その種をまけば新たに百日紅を育てることが可能です。

百日紅の基本情報

百日紅のある公園

百日紅の基本情報をまとめると、以下の通りです。

種目ミソハギ科
原産国中国
種類30種類以上
木の高さ3〜7メートル程度
花の色濃いピンク・白・赤
英名Crape Myrtle
漢名紫薇(しび)花

百日紅は名前から日本原産のイメージがありますが、実は中国原です。中国では漢名の「紫薇(しび)花」と呼ばれています。紫薇(しび)とはどういう意味なのでしょうか。もう少しだけ詳しく解説します。

百日紅の原産国は中国

百日紅の漢名に含まれる「紫薇(しび)」とは、中国語で「宮廷」という意味です。百日紅はもともと、唐代長安(旧中国王朝の首都)で宮廷にたくさん植えられていたそうです。そのため、「宮廷の花」という意味で「紫薇花」と名付けられたのですね。

百日紅が中国から日本に入ってきたのは、江戸時代より前とされています。中国の唐代は、日本の飛鳥時代後期〜平安時代初期に当たります。そのため、日本に伝来されるかなり前から、百日紅は中国に根付いていたのでしょう。

百日紅はシワのある花びらが特徴

百日紅の特徴といえば、くしゅくしゅとシワのある花びらの形です。表面にシワ加工や縮みがある布地をクレープと呼ぶため、百日紅の英名は「Crape Myrtle(クレープマートル)」となっています。なお、白い百日紅は「百日白(ヒャクジツハク)」や「シロサルスベリ」と呼ばれることもあります。

変な名前?「サルスベリ」と呼ばれる3つの由来

百日紅の木

百日紅の漢名や英名についての由来を簡単に解説しましたが、日本名の由来が気になる人もいるでしょう。百日紅の名前の由来は3つの説があります。

  • 由来1.開花期間
  • 由来2.木肌の特徴
  • 由来3.中国の伝説

それぞれの説についてご紹介します。

1.開花期間がおよそ100日間ある

一つ目の説は、百日紅の開花期間が約100日間であることです。百日紅の開花期間は7月〜10月中旬頃3か月弱となります。日数でいうと100日程度といえるでしょう。そのため、「百日間にわたり紅色の花が咲く」という意味を込めて、百日紅と名付けられました。

2.猿も滑るほど木肌がツルツル

続いての由来は、百日紅の木肌が「猿も滑るほどツルツルである」という説です。百日紅の木肌は、でこぼこがあまり多くありません。ペりぺりと表面が剥がれるほど、木の皮が薄いという特徴があります。木登りの上手な猿でも滑るという表現は、木肌がツルツルなのを上手に表している名前ではないでしょうか。猿が滑る説から、百日紅を「猿滑」と書くこともあるみたいですよ。

3.中国に伝わる悲恋の伝説

最後は、中国の悲恋の伝説が由来となった説です。中国の王子が竜を倒し、生贄になっていた少女を助けたというお話があります。王子と少女は恋に落ちますが、王子は国のために旅をしばらく続ける必要がありました。2人は100日後に再会する約束をしました。

しかし、少女は病気によって、王子との再会前に命を落としてしまいました。その後少女が埋葬された場所からは、1本の樹が生えてきたそうです。2人が100日後に再会を約束していたことから、少女が眠る場所から生えた木は「百日紅」と名付けられました。

中国の悲恋の伝説は、百日紅の花言葉にも登場します。

百日紅の花言葉

中国の百日紅

百日紅は樹木ですが、花が咲くため花言葉が存在します。百日紅の花言葉はいくつかありますが、花言葉の意味によって大きく3つに分けられます。

  • 花びらの様子を表した「雄弁」
  • 樹木の特徴を表した「不用意」「愛嬌」
  • 中国の伝説に由来する「潔白」「あなたを信じる」

それぞれご紹介します。

花びらの様子を表した「雄弁」

百日紅の花言葉「雄弁」は、花びらが揺れている様子から付けられました。「雄弁」とは力強く話す様子や、説得力のある堂々とした話し方を表しています。百日紅はたくさん花を咲かせるため、花が風に揺れたときに心地いいざわめきが響きます。百日紅の花がざわめく様子は、雄弁に話しているように見えるでしょう。

樹木の特徴を表した「不用意」「愛嬌」

不用意」「愛嬌」は、百日紅の木肌がとてもツルツルなことが関係します。木の表面はでこぼこが少なく滑るため、「不用意」に登れません。木登りが得意な猿でも滑る、と表現されるほど百日紅はツルツルです。さらに、滑って落ちても百日紅を憎めないという意味で、「愛嬌」と花言葉が付けられたのではないでしょうか。

中国の伝説に由来する「潔白」「あなたを信じる」

潔白」「あなたを信じる」は、中国の王子と少女の伝説が由来とされています。王子に恋した少女が埋葬された場所からは、百日紅が生えたと伝説でいわれています。少女には穢れがなく、潔白な存在であることから百日紅に花言葉が付けられたのでしょう。

また、王子と再会する約束を果たす前に、少女は亡くなってしまいました。亡くなる直前まで会えることを信じていたため、「あなたを信じる」という意味が込められたと考えられます。

英語では夫婦の愛情を示す意味がある

花言葉は、日本語と英語で違うことがよくあります。百日紅は英語で「Marital Fidelity(結婚の誓い)」といった花言葉があります。また、「Good Luck in Love in Marriage(結婚の幸運を祈る)」という意味もあります。英語において、百日紅は愛情に関する意味が多いです。そのため、夫婦の愛情が永久であることを示すかのように、結婚式の飾りによく使われています。

百日紅は庭木のシンボルツリーにおすすめ

ここまで、百日紅の開花時期や花言葉などさまざまな特徴をお伝えしました。そんな百日紅ですが、庭木のシンボルツリーとしてもおすすめです。百日紅は明るい紅色の花を咲かせるため、庭をパッと華やかにしてくれるでしょう。百日紅が庭木におすすめの理由と、基本の育て方をご紹介します。

百日紅が庭木におすすめの理由3つ

百日紅が庭木におすすめの理由は、主に3つです。

  • 低〜中木なのでサイズが庭に丁度良い
  • 和風・洋風のどちらの庭にも合う
  • 育てる手間があまり掛からない

庭木のシンボルツリーはある程度の高さが理想ですが、大きすぎると管理がとても大変です。園芸用の百日紅は、3メートル程度の丁度良い高さに育てられます。開花や紅葉が楽しめるため、季節ごとに庭を彩ってくれるでしょう。

また、百日紅は植えてしまえば、ほとんど手間が掛からないのが非常に魅力的です。

百日紅の基本の育て方

百日紅の基本の育て方をまとめました。

土質水はけの良い土を好む、培養土でOK
植え付け春(3〜4月)もしくは秋(11月頃)
水やり土の表面が乾いたらたっぷり与える
肥料2月に固形肥料を埋める
剪定時期1〜3月の落葉期におこなう

水はけの良い土であればいいため、市販の培養土を準備するだけで問題ありません。百日紅は鉢植えでも育てられますが、成長してきたら地植えにするのがおすすめです。地植えの場合は、植え付けから1年以上経過した後は水やりがほとんどになります。さらに、肥料も年に1度程度与えるだけという手軽さです。

夏の青空に似合う百日紅の花

今回は百日紅の開花時期や名前の由来、花言葉などをご紹介しました。百日紅の特徴は、何といっても鮮やかな紅色の花を咲かせる点です。花の形はくしゅくしゅとしたシワのある形状となり、花が風にさざめく様子から「雄弁」という花言葉が付けられています。暑い夏にを咲かせる百日紅は、秋が来ると紅葉し、冬にはを付けます。季節ごとに異なる魅力が楽しめる百日紅。庭木としてもおすすめなので、ぜひ育ててみてくださいね。