お正月のシーズンが近づいてきました。お正月といえば、初詣やおせち、門松など、日本らしさを特に感じるイベントですね。
そんなお正月は着物(きもの)を着る絶好の機会!せっかくなので、来年のお正月は着物で過ごしてみてはどうでしょうか。
「いざ着よう!」と思っても、ルールやマナーが多いイメージのある着物の世界。どんな着物を着ればいいか分からないと悩む人もいるかもしれません。
そこで今回は着物の選び方や防寒対策をご紹介していきます。
① お正月におすすめの着物は?
お正月の着物。実は、これといった決まりはありません。自分の好きな色・柄を楽しんでください。基本的には自由ですが、出かける場所ごとにおすすめの着物はあります。
新年会、パーティーへ行くなら「小紋」が◎!
華やかな新年の雰囲気にぴったりなのが小紋です。小紋とは、その名の通り小さな模様があるのが特徴。洋服でいうと、きれい目カジュアルでしょうか。結婚式や式典など、礼装着としては向いていませんが、外出着としては大活躍してくれる着物です。
カジュアルに着たいなら「紬」
とにかく気軽に着物を着たい人には紬がおすすめ。着物の普段着のイメージです。気負わないおしゃれが楽しめますよ。
目上の人のところへ行くなら「訪問着」
洋服でいうと、カクテルドレスのイメージのある訪問着。目上の人へ新年の挨拶へ行く場合におすすめです。
初詣に行く若い女性には「振袖」もおすすめ
若い女性は、振袖を着てみてはどうでしょうか。豪華でおめでたいイメージのある振袖は、お正月にぴったり。周りの雰囲気も華やかにしてくれます。初詣に行くと、意外と振袖を着ている女性は多いですよ。
② お正月におすすめの着物の柄は?
特に形式やマナーのないお正月の着物ですが、せっかくならば縁起を担いだ柄や季節に合わせた柄を選んでみてはどうでしょうか。
・縁起のいい着物の柄
<鶴>
品格あふれる美しい「鶴」は、長寿の縁起物として有名です。そして、鶴は夫婦仲がいいことから夫婦円満の象徴でもあります。結婚式でもよく見かける縁起のいい柄です。
<亀甲>
六角形の「亀甲」はその名の通り、亀の甲羅を表現しています。「鶴は千年、亀は万年」といわれる通り、長寿・健康を願う縁起物として知られています。
<松竹梅>
古くから「おめでたいこと」の象徴とされている「松竹梅」は、お正月にぴったり。極寒でも緑を絶やさない「松」、寒さに負けずまっすぐに伸びる「竹」、冬の寒さからいち早く花を咲かせる「梅」は、「三寒三友」と言われ昔から尊ばれてきました。
・冬らしさを感じる着物の柄
<椿>
「椿」は春を待つ花として冬の季節感を表します。椿が写実的、かつ単独で描かれている場合は冬に着用するのがおすすめです。
<南天>
冬に赤い実をつける「南天」は、お正月の飾りとして松竹梅とともに用いられています。「難を転じる」縁起のいい柄でもあり、お祝いの席でも人気の柄です。
③ 防寒対策
お正月の時期は、真冬。初詣など出歩く予定がある場合には、寒さ対策が必要です。着物の防寒には、洋服の時とは違うアイテムや注意点がありますので詳しく説明していきます。
・コートや羽織で防寒する方法
道行(みちゆき)コート
道行コートとは、和服用のコートです。昔からある定番スタイルとして、着物女子に根強い人気があります。外出用のコートなので室内では脱ぐのがマナーです。
防水・撥水加工が施され、雨や塵を防いでくれるタイプのものもあるので目的に合わせて着用することが可能です。
羽織
道行コートに比べカジュアルなイメージになるのが羽織です。洋服でいうとジャケットやカーディガンのイメージ。そのため、お茶会など特別な時を除き、室内で着ていても問題ありません。
冬場は暖かいウール素材を選ぶといいでしょう。カジュアルに着こなすことができるので、柄×柄など自分なりのおしゃれを楽しめます。
また、抜け感のあるレース布地の羽織も人気。令和のトレンド感を抑えた和洋折衷なスタイルも可愛いですね。
ケープ・ポンチョ
普段着物を着ない人にとって、道行コートや羽織をわざわざ買うのは少しもったいない気がしますね。洋服の時に使うケープやポンチョで代用することもできます。袖周りがゆったりしたデザインなので着物を着ていてもすんなり着脱できるのが魅力です。
・その他の防寒アイテム
アウターが決まったら、それ以外の防寒対策を考えましょう。着物の時は、インナーと「足元・手元・首元」の3点をおさえるといいですよ。
インナー対策
インナーは、わざわざ和装用のものを準備する必要はありません。冬用の機能性インナーを使用すればいいでしょう。その際は、着物からインナーがはみでて見えないように、首元が大きく開いたものを選ぶようにしてください。
着物を着た時は、前よりも後ろの首元のほうが開きます。後ろからもインナーが見えていないか忘れずにチェックしてくださいね。
足元対策
着物は裾から冷気が入り込みやすいため、防寒対策として足元は重要スポット。スパッツやレギンスを着用してください。
足袋も暖かい素材のものをチョイス。最近では、フリース素材のものも販売しています。「着物には絶対下駄!」と決めつけずに、冬用のブーツなどを合わせるのもおしゃれですよ。
手元対策
着物は手元も大きく開いています。ロンググローブを着用するといいでしょう。レザー素材のものだと上品に、ウール素材のものだと優しい雰囲気になります。
首元対策
着物の時の首元は、大判のショールやストールで温めます。ふんわりとゆるめに巻くとバランスよく見えますよ。
④ 着物を着た時のメイクのポイント
着物は華やかな色や柄が多いため、普段と同じメイクではちょっぴり顔が沈んで見えてしまうことも。これから着物姿がバッチリ決まる「着物メイク」をご紹介します。
・ベースは「のっぺり感」が大切
着物には、立体感のあるメイクより「のっぺり」としたメイクのほうが似合います。ベースメイクの際は、立体感の出るハイライトやシェーディングなどは控え目にするのがおすすめです。
ファンデーションの色は普段より少し明るめ。マットな質感のものを選ぶといいですよ。
・眉毛は「優しそう」がポイント
「着物メイク」の眉毛は女性らしさや優しい印象が引き立つ、ゆるやかなアーチ型がおすすめです。細くしすぎないよう意識しましょう。
・アイメイクは「ライン」が大切
「着物メイク」の時、目元は強調ポイント。普段よりしっかりとアイラインを引くことが大切です。マスカラもいつもよりたっぷりと。ロング効果のあるマスカラを使用すると目元の美しさが際立ちます。
あえてビューラーをせずに、すだれまつ毛にするのもテクニックの1つ。下を向いた時にさりげない艶っぽさを演出できます。
アイシャドウの色は、控え目が基本です。カラーのアイシャドウを使用する場合は、着物や帯に使われている色をチョイスしましょう。ラメ感のあるものは着物に合わないことが多いので注意が必要です。
・口元は「マット」に決めて
アイメイクと同様に、口元も強調ポイントです。マットな質感のほうが着物には似合います。リップペンシルで輪郭を取って、ふっくら華やかに仕上げましょう。
・チークは「控え目」がポイント
チークは「血色がいいな」と感じる程度でOKです。控え目に入れましょう。自然な血色を演出できる、ローズピンクやオレンジのものがおすすめです。
⑤ 凛とした佇まいがかっこいい。お正月は男性も着物に挑戦!
着物で迎えるお正月。せっかくなら夫婦やカップル揃って着物を着てみてはどうでしょう。特別な装いで過ごすお正月は、すてきな思い出になりますよ。
男性着物の格は、大きく分けて3つあります。一番格が高く、結婚式や成人式など格式のある式典に着る「黒羽二羽五つ紋付」、友人の披露宴やお茶会などに着る「色紋付」、普段着に使えておしゃれを楽しむことのできる「外出着」です。
男性に関しても、女性と同様お正月に着る着物に決まりはありません。お正月に着る着物としては、気軽に着られておしゃれが楽しめるウール素材の「外出着」がいいかもしれませんね。
普段ズボンに慣れている男性は、特に足元がスース―するのが気になると思います。スパッツなど防寒対策はお忘れなく。
色や柄がシンプルなものが多い男性の着物は、小物で遊べるのも魅力の1つです。ハンチング帽やブーツ、タートルネックなど自分なりのコーディネートを見つけてみてはどうでしょうか。
【まとめ】
着る着物にこれといった決まりがなく、日本らしい雰囲気が漂うお正月は着物を着る絶好のチャンスです!普段着ない人も、チャレンジしてみてはどうでしょうか?
いつもと違うメイク、いつもと違う装い。準備する段階からウキウキしそうですね。着物でお正月を過ごして、すてきな1年のスタートをきってくださいね。
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