未婚女性の第一礼装、「振り袖」。華やかで豪華な姿に、憧れを持つ女性は多いのではないでしょうか。
よっぽどの着物通の人を除いて、振袖を着る機会はそう多くありません。せっかく着るならば、「最高の一着、最高の一日」にしたいですね。
今回は、振り袖の選び方や着る機会、過ごし方をご紹介します。すてきな振袖の思い出ができますように。
(1) 成人式の振袖。準備の方法
「振袖」といえば「成人式」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。準備方法は、大きく分けて、購入・レンタル・譲り受け、3つのパターンがあります。これから、それぞれのメリットやデメリット、注意点についてご紹介していきます。
【購入する場合】
振袖を購入するメリットとデメリットは?
メリットは、以下のようなものが挙げられます。
- ぴったりのサイズで仕立てられるので着姿が美しい
- 自分だけの着物を選べる
- 何度でも着られる
- 妹や従妹などで着回すことができる
- 子や孫の代まで受け継ぐことができる
一方、デメリットは以下のようなものが挙げられます。
- クリーニングや染み抜きなどのお手入れが大変
- 保管場所や、虫干しなどのメンテナンスが必要
- レンタルに比べると高額になることが多い
購入か振袖レンタルかで迷う人も多いと思いますが、「何度も着たいか」「姉妹がいるか」「家族の意見」などを総合的に考えて決めるといいでしょう。
相場や購入時期は?
振袖の価格は、ピンからキリまであります。一般的な平均相場は小物などが全部ついたセットで30万円前後が主流のようです。
おすすめの購入スケジュールとしては、2年前からお店選びを開始。1年半前に購入とすれば余裕を持って成人式を迎えられるでしょう。早割などを利用すると、お得に購入できますよ。
購入時の注意点
一生に一度の買い物なので後悔はしたくないですね。購入時の注意点をご紹介します。
- お店の人にきちんと予算を伝えておく
振袖購入において、1番大切なことです。価格の高い着物は、やはりすてきに見えます。そんな振袖を見てしまうと、どうしてもそれがよくなり大幅な予算オーバーとなってしまうことも。きちんと最初に上限を伝えておきましょう。 - 信頼できるお店を選ぶ
お店選びも大切です。お店によって取り扱う振袖の種類や特徴が違うので、いくつかのお店を回ってみるといいでしょう。成人式までに何度かやり取りがあると思いますので、接客態度も重視してください。 - 特典、アフターサービスの確認
振袖には帯・草履などいろいろなアイテムが必要になります。こうしたアイテムがセットになっているかも確認しておきましょう。着付けやヘアメイク、写真撮影などのオプションサービスの有無も事前に聞いておきましょう。
また、着用後のクリーニングやお手入れなどのアフターケアも確認しておくと安心です。
【レンタルする場合】
レンタル振袖のメリットとデメリットは?
メリットは、以下のようなものが挙げられます。
- クリーニングなどアフターケアが不要で、返却するだけでOK!
- 収納場所やメンテナンスが不要
- 費用を抑えることができる
- 毎回、気分や場所に合った色柄に挑戦できる
一方、デメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
- レンタル期間を過ぎると着られない
- 身長が高すぎたり、低すぎたりすると選択肢が少ない
- 何度も着る場合は、購入より割高になることも
相場や予約時期は?
相場は5万円~30万円前後と言われています。予約時期は、品ぞろえが豊富な成人式1年前の1月~3月に予約をする人が多いです。
早い人では2年前から動く人もいます。特に身長が高い人、低い人は選択肢が少ない可能性がありますので、早めに選んでおくといいでしょう。
レンタル店を選ぶ際の注意点
レンタル振袖店は数多く存在します。選ぶ際のチェックポイントをご紹介します。
- 実店舗やHPの有無をチェック
レンタル振袖店の中には、実店舗を持たないことで安価に振袖を提供しているお店もあります。少ない資金で開店できる一方で、経営基盤がしっかりしてないこともあり、最悪レンタルした振袖が届く前に倒産してしまった!という可能性も。
インターネットでのレンタルを考えている場合は、デザインや値段だけでなく、実店舗や会社HPの有無、実績などもチェックしておくと安心です。 - セット内容をチェック
レンタル振袖と一言で言っても、セット内容は千差万別。着付けは必要?ヘアメイクは?前撮りをいつする?など、自分の要望を明確にしてから選びましょう。 - キャンセル料やアフターサービスの確認
何かしらのアクシデントで、やむを得ずキャンセルすることもあるでしょう。そういった時に、いつからキャンセル料が発生するのか、いくらかかるのかを事前に知っておくと安心です。
また振袖を汚してしまったときの対応も店舗によりまちまち。飲食を伴うパーティーなどでは、汚してしまう可能性がゼロではないので、きちんと把握しておくといいでしょう。
【譲り受ける場合】
最近は、母親の振袖を譲り受けて着る「ママ振り」が人気なのをご存知でしょうか?成人式の振袖、第3の準備方法として注目を浴びています。
「ママ振り」のメリットとデメリットは?
メリットは以下のようなものが挙げられます。
- 費用を抑えることができる
- 友人と被ることがない
- 成人式以外にも着られる
- 昔の振袖のほうが、品質が高いことが多い
- 祖母・母・娘と、思い出を共有できる
一方、デメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
- 染み抜きやクリーニング、サイズ直しが必要
- 収納・保管などが面倒
- 好きな色柄が選べない
相場と注意点は?
振袖は母親のもの、小物はレンタルか新しく購入、というスタイルが一般的。大体の目安として11万円〜14万円程が相場です。
振り袖の状態によっては、レンタルより高くなることがあります。特に母親よりも娘のほうが、10cm以上身長が高い場合は、部分的なお直しでは対応できない場合があります。
価格もお直し期間も多めにかかってしまうことがあるので、早めにお店へ振袖を持ち込んで相談しておきましょう。
「ママ振り」ブームにより、「ママ振りプラン」があるお店も増えてきました。昔の振袖を今っぽく着こなすアドバイスや小物レンタルなども行っていますよ。
(2) 似合う色柄
振袖は、基本的に自分の気に入ったものを選ぶのが1番。ですが、種類も多く迷ってしまうこともあるかもしれません。そんな時は、体型や身長ごとに似合うとされているものを参考に選んでみてはどうでしょうか。
振袖の似合う色柄は、浴衣の際と同じです。詳しく書いてあるこの記事を参考にしてみてくださいね。

(3)その他シーン別振袖
振袖を着る機会は、成人式だけではありません。未婚女性の第一礼装である振袖の活躍の場はたくさんあります。
- 「結婚式」を華やかに盛り上げる
振袖は、友人や親族の結婚式に呼ばれた時にも活躍します。振袖での出席は、結婚式を華やかなものとしてくれるので、新郎新婦から喜ばれることも多いです。
ただし、花嫁が和装や振袖を着る場合には、色味がかぶらないようにしたり、控え目にしたりするなど気を配らなければなりません。 - 「結納」にもぴったり。
結納は、結婚の約束を交わす儀式。最近は簡素化されているケースも多いですが、格式高く行う場合は振袖を着るのにふさわしい場でもあります。 - お正月
お正月は、テレビなどでも振袖姿の女性を多く見かけますね。お正月は成人式、結婚式などと同様にハレと呼ばれる非日常の特別な日とされます。そんなハレの日に「晴れ着」である振袖はぴったりです。 - 卒業式
大学の卒業式といえば、袴をイメージする人は多いのではないでしょうか。袴のトップスとして振袖を使用することができます。
「袴で隠れてしまうのはもったいない!」と思う人は、袴ではなく振袖姿で出席するのもいいですよ。
(4)振袖の所作を知っておこう
洋服の時のように動いてしまっては、せっかくの振袖姿が台無しに!着崩れの原因にもなってしまいます。振袖は、袖が長いという点にも注意が必要です。これから、覚えておきたい振袖の所作をご紹介していきます。
- 歩き方
歩幅は洋服の時より小さめがポイント。やや内股を心掛けましょう。背筋をきちんと伸ばすと◎です。 - 手の洗い方
袖が濡れてしまわないように注意が必要!クリップで両袖をとめると簡単です。 - 乾杯
乾杯など手を挙げる際は、袖口が下がって二の腕が出ないように意識してください。グラスを持つ手とは反対の手で、袖のたもとをそっと押さえると、美しい所作になりますよ。 - トイレ
振袖の際は、広めの個室や洋式のトイレを選ぶと安心です。袖は結んでおくか、クリップなどでまとめておきましょう。
ショーツは、着脱しやすいローライズがおすすめです。いつもより浅く座ると、帯が崩れにくいでしょう。個室から出る際は、着崩れを起こしていないかチェックしてくださいね。
お気に入りの振袖で素敵なお祝いの日に。
華やかで豪華な振袖。あまり着る機会がないため、疑問点もたくさんあることと思います。ぜひ、今回ご紹介した選び方や過ごし方を参考にしてみてくださいね。写真にも心にも残る、とびっきり華やかな思い出になりますように。
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