真っ赤で鮮やかな花の色が目を引くホウセンカ。葉っぱもよく生い茂るため、自宅の庭で育てれば華やかな雰囲気を演出できます。
ホウセンカは丈夫な花のため、ガーデニング初心者でも育てやすくおすすめです。こちらの記事では、ホウセンカが咲く季節や基本の育て方などを解説します。ホウセンカについて詳しく知りたい人は、ぜひ最後までお付き合いください。
ホウセンカの季節は6〜9月頃
まずはホウセンカの開花する季節を知っておきましょう。ホウセンカの花が咲くのは、6〜9月頃にかけてとなります。ホウセンカは湿度に比較的強いため、梅雨の湿った時期でも元気に開花します。また、九州や中国・四国地方などの暖かい地域であれば、10月まで咲くこともありますよ。
暑い季節に咲く花は、花びらの色が非常に鮮やかなことが多いです。ホウセンカの花びらも、夏の青空によく映える濃い赤をしていますね。
同じ季節に咲くひまわりなどに比べると、ホウセンカの知名度はそこまで高くありません。「ホウセンカってどんな花なの?」と疑問を持つ人も多いでしょう。そこで続いては、ホウセンカの基本情報を見ていきましょう。
ホウセンカはどんな花?特徴をチェック
ホウセンカの基本情報をまとめると、ご覧の通りです。
種目 | ツリフネソウ科 |
---|---|
開花時期 | 6〜9月頃 |
誕生花 | 7月29日・8月27日・9月8日・9月18日 |
原産国 | 中国南部・インドなど |
花の色 | 赤・紫・白・ピンクなど |
ホウセンカの花の色は、赤以外にも紫や白、ピンクなど意外とカラフルです。緑一色になりがちなお庭にも、彩を添えてくれるでしょう。
ホウセンカは丈夫で育てやすい一年草
ホウセンカは、越冬せず1シーズンだけ開花する一年草です。一年草は丈夫で育てやすい傾向があり、初心者でも枯らすことなく育てられます。
また、ホウセンカの原産国は、中国南部やインドなど暑く湿った気候の地域です。そのため、ホウセンカは耐湿性があります。日本の夏も暑く湿った気候であり、ホウセンカが育ちやすい環境といえます。原産国と似た気候で育てられるため、温度や湿度を必要以上に管理する必要がありません。
ホウセンカの種は熟すとはじける
ホウセンカの大きな特徴は、種がはじけ飛ぶことです。ホウセンカの実には種がたくさん詰まっており、実が熟すと中から種がはじけ出ます。
種がはじけ出るのは、ホウセンカが繁殖するためです。なるべく遠くまで種を飛ばし、広範囲に生息地域を広げていくメカニズムとされています。結構な勢いで弾けるため、初めて見るときはびっくりするかもしれません。
ホウセンカの育て方
ホウセンカを育てるときに知っておきたいのは、育てる場所や水やりの頻度です。基本的には、以下のような条件・やり方で育てます。
土質 | 水はけのいい土 |
---|---|
日当たり | 日当たりのいい場所 |
種まき・植え付け時期 | 4〜5月 |
水やり | 乾燥したらたっぷり与える |
肥料 | 緩効性の肥料 |
育てる場所選びから肥料まで、ホウセンカの育て方をステップごとに見ていきましょう。
土質・日当たり
まずは、ホウセンカが育ちやすい場所や環境についてお伝えします。ホウセンカは水はけのいい土と日当たりのいい場所で育てましょう。
水はけのいい土は、市販の草花用の培養土で問題ありません。鉢植えやプランターで育てる場合は、赤玉土6:腐葉土4の割合でミックスして土を整えるといいでしょう。ホウセンカに日光が当たるよう、自宅の南側や影にならない場所を選んでみてください。
種まき・植え付け
ホウセンカの種まきは、4〜5月におこないます。種をまいてから開花するまでは1〜4ヶ月程度です。種まきから開花までが長いとお世話が大変なため、ホウセンカは開花まで丁度いい期間となりますね。
なお、ホウセンカは直根性といい、根が下にまっすぐ伸びています。根を傷つけると発育が悪くなる可能性があるため、根はなるべく触らないようにしましょう。ホウセンカの苗を出すときは、根についた土を払わなくて大丈夫です。
水やり・肥料
ホウセンカは乾燥したらたっぷり水を与えます。暑い季節の水やりは、土の中で水が温まりやすいです。そのため、夏は朝と夕方の涼しい時間帯に水やりをしましょう。
肥料については、植え付けの際に緩効性の化成肥料を与えます。緩効性の肥料は、与えてから効果がジワジワと長続きする肥料です。肥料を何度も与える必要がないため、育てる負担も軽減しますね。ホウセンカが咲かないときは、液体肥料を薄めたものを水の代わりに与えるのがおすすめです。
このように、ホウセンカの基本の育て方は初心者でも簡です。ホウセンカの病気や害虫についても軽く知っておくと、さらにホウセンカが育てやすくなるでしょう。
ホウセンカを元気に育てるためのポイント
ホウセンカを育てるときは、うどんこ病とセンチュウが発生しないよう、手入れをするのがポイントです。うどんこ病とは、葉の表面が白い粉っぽくなる症状です。うどんこ病を予防するには、ホウセンカ同士を密集して植えすぎないことが大切。間隔を開けて植え、風通しを良くしましょう。
また、センチュウからホウセンカを守るには、害虫除けスプレーを使ったりマリーゴールドを一緒に植えたりしてください。マリーゴールドはセンチュウ除けの効果を期待できます。ホウセンカだけでなく他の花を育てるときも、花の間にマリーゴールドを一緒に植えるとセンチュウ除けになります。
ホウセンカの種類・品種
ホウセンカにはいくつかの種類があり、花びらの形や成長したときの草丈が異なります。好みの品種を選んで育てると、開花するのがより一層楽しみになるでしょう。ここではホウセンカの種類について、草丈が高めの品種と草丈が中間〜低めの品種に分けてご紹介します。
草丈高め(60〜80cm)のホウセンカ
草丈が高めのホウセンカは、60〜80cm程に成長します。代表的な品種は以下の2種です。
- カメリア・フラワード
カメリアは「椿」という意味です。椿のように花びらが多いホウセンカとなります。花の色が豊富で、赤・紫・ピンクなどがあります。 - プリンセス・サクラ
日本でよく栽培されている品種です。一重の花びらで繊細な印象のホウセンカです。品種名の「プリンセス・サクラ」は、花の色が淡いピンク色をしているためと考えられます。
草丈中間〜低め(30〜50cm)のホウセンカ
草丈が30〜50cm程度のホウセンカは、鉢植えやプランターでも育てやすいサイズ感です。草丈が中間〜低めの代表品種は、次の2種となります。
- ブッシュ・フラワー
草丈が40〜50cmの中間サイズのホウセンカです。八重咲きと呼ばれるホウセンカで、花びらの枚数が多いのが特徴です。 - トム・サム
草丈が30cm程度の小さいサイズのホウセンカです。ブッシュ・フラワーと同じく八重咲きとなります。大輪の花を咲かせるため、非常に華やかさがあります。
プレゼントには要注意!ホウセンカの花言葉
続いて、ホウセンカの花言葉をご紹介します。ホウセンカの花言葉は、種がはじけることが由来となった花言葉ばかりです。ホウセンカの花言葉は、あまりプレゼント向きとは言えません。人に贈るときのために、花言葉をまずは見てみましょう。
ホウセンカの花言葉は「触れないで」「短気」「心を開く」
ホウセンカの花言葉は「触れないで」「短気」「心を開く」です。少し距離を感じるような言葉であり、あまり印象が良くないかもしれません。それぞれの花言葉の由来を以下にまとめました。
- 「触れないで」は、実が熟すと少し触れただけで種がはじけ出るため
- 「短気」は、ホウセンカのラテン語「impatiente(我慢できない)」と、我慢できずに種が弾けるため
- 「心を開く」は、実を開いて種が出ることを表現しているため
また、「触れないで」「短気」のように怒っている様子を表す花言葉には、ギリシャ神話のある話が関係しています。
花言葉に関係するギリシャ神話
ホウセンカの花言葉「触れないで」「短気」は、ギリシャ神話のゼウスがある女神に怒り、追放した伝説が関係します。
ゼウスが主催したパーティで、客人用のリンゴが1つ足りない事態が起きました。ゼウスは配膳係の女神を疑い、怒って女神を地上へと追放します。しかし、実はその女神は無実であり、他の女神がリンゴを盗んだそうです。
無実の女神は潔白を訴えるも、ゼウスは信じません。無実の訴えはとうとうゼウスへ届かず、女神は命が果ててしまいます。無実の女神を憐れに思った花の精が、無実の女神を美しいホウセンカに変えてあげたそうです。
ゼウスの怒りに触れた女神がホウセンカとなったため、怒りを表す花言葉がつけられたのでしょう。
ホウセンカの漢字と別名の由来
最後に、ホウセンカの漢字と別名の意味についてお伝えします。
鳳仙花(ホウセンカ)は鳳凰の羽ばたく様子に似ているため
ホウセンカは漢字で「鳳仙花」と書きます。ホウセンカの漢字は中国名が由来となっています。鳳仙花の意味は「鳳凰が羽ばたいているように見えるから」です。
鳳凰は伝説上の鳥であり、平和な世界にのみ姿を現すとされています。鳳凰は部分的に赤色の羽を持っているため、ホウセンカの深紅の花びらとの共通点になったのかもしれませんね。
別名「爪紅」はホウセンカがマニキュア代わりだったため
ホウセンカの別名は「爪紅」と呼ばれています。その昔、中国や日本ではホウセンカの色を抽出し、爪に塗っていました。また、韓国ではホウセンカを使い、染物を授業で体験する小学校もあるそうです。ホウセンカは、天然のマニキュアや染物としての用途もあるのですね。
ホウセンカで夏のガーデニングを楽しもう
今回は、ホウセンカの開花する季節や育て方などを解説しました。ホウセンカは6〜9月に咲く夏の花です。耐湿性があるため、梅雨から夏にかけて湿った季節でもすくすくと育ちます。ホウセンカは花も葉っぱも濃い色をしているため、夏の青空によく映えますよ。種まきから短期間で花を咲かせるため、自宅でホウセンカをぜひ育ててみてくださいね。
この記事へのコメントはありません。