大和撫子」という言葉があるくらい、撫子は日本人にとって馴染み深い花です。
しかし撫子の存在は知っていても、開花時期や花言葉など分からないことも多いのではないでしょうか。

こちらの記事では、撫子の季節花言葉などをまとめました。
意外と知らない撫子の知識が学べますので、ぜひ最後までご覧ください。

撫子の開花時期と季語

撫子の開花時期が咲く季節は、春から秋頃までと非常に長いです。また、開花時期期間が長いと「季語はいつなのか?」と気になる人もいるでしょう。ここでは撫子の季節季語を解説します。

撫子の開花時期は4〜11月頃と長い

撫子は4〜11月頃まで花を咲かせます。の季節は4〜11月となります。ワンシーズンで咲き終わる花も多いため、撫子の開花期間は比較的長いです。中でも撫子が見頃の季節撫子の一番の見頃は、初夏〜夏頃にかけてとなります。撫子は湿度への耐性がそこまで強くありません。そのため、夏に湿度を避ける手入れをしないと、秋まで花が咲き続けない場合があります。

また、品種の特性上、秋まで咲き続けられる撫子もあります。11月頃まで咲く撫子の品種群は、「四季咲きナデシコ」といった総称で呼ばれています。

撫子の季語は秋

撫子の季語はとなります。撫子は「秋の七草」に選ばれており、日本の秋を代表する草花の1つです。

季節を代表する秋の七草は、奈良時代に万葉集で登場しました。七草というと、七草がゆを食べる「春の七草」の方が認知されているしている人が多いかもしれません。しかし、春の七草が登場したのは平安時代であり、奈良時代に登場した秋の七草の方が古い起源は古いとされています。

撫子の基本情報や花の特徴

撫子の基本情報をまとめると以下の通りです。

種目ナデシコ科ダイアンサス属
原産国アジア・ヨーロッパなど
開花期間4〜11月頃
誕生花5/29・6/7・7/14・7/15・7/22・7/25・7/28・7/30・8/20・ 9/4・ 9/11・10/25・11/10
別名常夏・キョバク(蘧麦)
花の色ピンク・赤・白・紫 など

撫子は丈夫で育てやすい多年草です。花びらの形は特徴的で、先端がギザギザしています。また、撫子の名前が付いた「撫子色」という色があります。撫子色は淡いくすみピンクですが、実際の撫子の色は赤・白・紫などさまざまです。

撫子は色ごとに花言葉が変わるため、続いては撫子の花言葉を見ていきましょう。

【色別】撫子の花言葉

ピンク・赤の撫子

撫子は色ごとに花言葉が異なります。撫子の代表カラーである白・ピンク・赤の花言葉はご覧の通りです。

  • 白の撫子:「貞節」「才能」「器用」
  • ピンクの撫子:「純愛」
  • 赤の撫子:「純粋で燃えるような愛」「大胆」

撫子のイメージにぴったり当てはまる言葉もあれば、予想外の花言葉もあるのではないでしょうか。撫子の花言葉についてさらに詳しく解説します。

白の撫子の花言葉「貞節」「才能」「器用」

白の撫子の花言葉は「貞節」「才能」「器用」となります。言葉のイメージとしては、古き良き日本人女性を表しているのではないでしょうか。大和撫子の奥ゆかしさを感じられる花言葉ともいえます。

なお、「貞節」は撫子全般の花言葉として用いられることもあります。

ピンクの撫子の花言葉「純愛」

ピンクの撫子の花言葉は「純愛」です。撫子のピンクは淡く、主張が強すぎない色となります。ピュアで純粋さが感じられる色味のため、純愛の花言葉が付いたのかもしれません。

また、ピンクは感謝や親しみを表す色でもあります。そのため、ピンクの撫子を恋人へプレゼントするのもおすすめです。

赤の撫子の花言葉「純粋で燃えるような愛」「大胆」

赤の撫子は「純粋で燃えるような愛」「大胆」が花言葉となります。白やピンクの撫子とは違い、力強さを感じる花言葉です。

赤の撫子は、もともと西洋撫子の色とされています。赤色が持つエネルギッシュなパワーや派手さから、この花言葉が連想されたと考えられます。

なお、西洋撫子はヨーロッパ原産の撫子です。撫子は種類が豊富であり、その数は300種以上とも言われています。続いて、日本で主に流通している撫子の代表品種をご紹介します。

300種以上?撫子の豊富な品種

紫の撫子

撫子は日本に古くからある花のため、日本原産の品種が多いです。しかし、撫子の原産地は日本に限らず、アジア原産ヨーロッパ原産など豊富な品種が存在します。

ここでは日本・中国・西洋(ヨーロッパやアメリカ)が原産の撫子について、見ていきましょう。

日本原産の代表品種

代表的な日本原産の撫子は、カワラナデシコ(河原撫子)ハマナデシコ(浜撫子)となります。それぞれの撫子の特徴をまとめました。

  • カワラナデシコ(河原撫子)
    秋の七草に登場する撫子がカワラナデシコです。カワラナデシコは川辺に自生しています。花びらは5枚あり、花びらの先端が細かく裂けています。
  • ハマナデシコ(浜撫子)
    光沢と厚みのある、しっかりとした花びらが特徴です。花びらの先端は若干ギザギザしているものの、他の撫子に比べて切れ込みが浅いです。

中国原産の代表品種

中国原産の代表品種が、セキチク(石竹)という撫子です。セキチクは別名「カラナデシコ(唐撫子)」とも呼ばれています。セキチクの花びらは薄く、まるでレースのように広がっています。花びらの先端は細かい切れ込みが入っており、繊細な印象の撫子です。

また、花びらの中央部分は濃い色をしており、外側になるにつれ徐々に薄い色に変化しています。そのため、染物のような色合いが非常に美しい撫子となります。

西洋原産の代表品種

ヨーロッパや北米など西洋原産の代表品種が、アメリカナデシコタツタナデシコです。それぞれの特徴は次の通りです。

  • アメリカナデシコ
    アメリカナデシコの代表的な色は深い赤色です。別名は「ヒゲナデシコ」や「美女撫子(ビジョナデシコ)」と呼ばれています。別名がヒゲナデシコの由来は、花の株にある苞(ホウ:花の根元の葉)がヒゲのように長く伸びているためです。
  • タツタナデシコ
    花の中央部分に、輪模様の濃い色が出るのが特徴です。タツタナデシコの代表的な色はピンクとなります。草丈は30cm程度と比較的低めに育ちます。

このように、日本に流通している撫子はさまざまな品種があります。色味や花びらの形もそれぞれ特徴があるため、色々な品種を育てて楽しめるでしょう。

撫子を育ててみたい人の中には、「ちゃんと育てられるかな」と不安を抱いている人もいるのではないでしょうか。撫子は育てやすい花のため、ガーデニング初心者にも非常におすすめですよ。

撫子の育て方

赤い撫子

撫子は小さい花が可愛らしく、鉢植えで育てて玄関前に置くととっても素敵です。さらに、撫子は丈夫な多年草のため、きちんと手入れすれば翌年も花を咲かせます。

撫子を育てるには、日当たり風通しが大切になります。撫子の基礎的な育て方と、長く咲かせるためのポイントを解説します。

日当たりが良く水はけのいい場所に植えよう

撫子を植える場所は、日当たりが良く、水はけのいい場所を選びましょう。撫子は日光を好みます。そのため、1日のうち半分の時間は日が当たる場所で育てるのが理想です。
地植えではなく鉢植えで育てるときは、水はけのいい土を作りましょう。赤玉土7:腐葉土3の割合で整えるのがおすすめです。

また、撫子は高温多湿が苦手のため、花と花の間隔は狭めすぎないようにしてください。間隔を空けて植えると風通しが良くなりますよ。

水は与えすぎず乾燥したときのみでOK

撫子はほとんど水やりが必要ありません。土の表面が乾燥しているときのみ、水を与えれば充分です。地植えなら真夏日が連続し、乾燥したときに水を与えるだけで大丈夫です。一度水を与えたら、少なくとも1〜2日は水やりは不要でしょう。

撫子は比較的乾燥に強く、反対に加湿に弱い花です。水を与えすぎると根腐れに繋がるため、水やりはほどほどにしましょう。

撫子を長く咲かせるには夏と冬にお手入れを

撫子の開花期間を長くするには、夏の間に撫子の風通しを良くすることが大切です。撫子の葉が密集していると蒸れやすくなります。加湿に弱い撫子は、蒸れると枯れてしまいます。黄色く傷んだ葉の除去や、密集している部分の葉は摘むようにしてくださいね。

また、冬は霜が降りないようマルチングする(ビニールで覆う)のがおすすめです。鉢植えの場合は、風を避けられる場所に鉢植えを移動させましょう。

撫子は季節を問わず愛でられる花

今回は、撫子の季節や花言葉などをご紹介しました。撫子は、春から秋まで長い季節にわたり花を咲かせます。11月頃まで開花する撫子もあり、「四季咲きナデシコ」の愛称で親しまれています。

花言葉は「貞操」や「器用」など大和撫子のイメージに合う花言葉や、「大胆」という赤色の撫子から連想された花言葉もあります。撫子は白・ピンク・赤など色や品種が豊富です。さまざまな撫子を鉢植えで育てれば、玄関先を季節問わず華やかに飾れるでしょう。

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