紫色の小ぶりな花びらがたくさん咲き乱れる
見た目の美しさだけでなく、甘くフローラルな香りは香水や香り袋としても人気です。
鬼滅の刃』の影響で再注目されている藤の花ですが、藤のことをもっと知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこでこちらの記事では、藤の花に関する次の情報をまとめてお伝えします。

  • 藤の品種や季節
  • 花言葉とその意味
  • 藤の毒性
  • 『鬼滅の刃』に関する藤の豆知識
  • 藤の名所

記事を最後まで読めば藤についてかなり詳しくなれるはずなので、ぜひ参考にしてくださいね!

藤の基本情報

まずは品種や原産国など、藤の基本情報を見ていきましょう。

品種マメ科
原産国日本
別名ノダフジ、ムラサキグサ
花の色薄むらさき、白、ピンク
花びらの形蝶形花(ちょうけいか)

藤の花びらは、蝶形花(ちょうけいか)というマメ科の花特有の形をしています。
花びらは全部で5枚あり、上2枚の花びらは下の花びらより大きく開いています。
「その形が蝶が羽ばたいている様子に見える」ことから、蝶形花という名前が付けられたそうです。

また、花の色は白やピンクもありますが、やはり代表的なのは薄むらさき色の藤
青みのある淡いむらさき色である「藤色は、古くから日本の伝統色として親しまれています。

藤の季節は4月~5月上旬ごろ

藤の花

藤の季節はとなり、4月から5月上旬ごろにかけて美しく咲き誇ります。
開花時期がゴールデンウィークに被ることが多いため、全国各地で藤まつりが開かれるのもこの時期です。
藤まつりなどで鑑賞できる藤は、パーゴラという木材の棚から垂れるようにして飾られていることが多いです。
この飾り方は藤棚と呼ばれており、藤の垂れ咲く様子を楽しめるとともに、太陽を好む藤がたくさん陽の光を浴びられるようになっています。

藤の花言葉とその意味について

つづいては、藤の花言葉とその意味について解説します。
藤の花言葉を先にお見せすると、次の通りです。

  • 歓迎
  • 優しさ
  • 恋に酔う
  • 決して離れない

花によっては色ごとに花言葉が存在していますが、藤は基本的に色に関係なく、全般的な花言葉となっています。
それでは詳しい花言葉の意味について見ていきましょう。

藤の花言葉①「歓迎」

この歓迎という花言葉には、ふたつの意味があるとされています。

まず、由来となっているのは藤の咲き方です。藤はまるでブドウのように、花が垂れ下がって咲いています。
花が下を向いている様子が、お辞儀をしながら「いらっしゃいませ」と歓迎しているように見えることから、この花言葉がつけられたそうです。

さらに、藤は古くから、民家の庭先や玄関先に飾られることの多い花でした。庭先や玄関先はお客様を出迎える場所でもあるため、歓迎という花言葉がぴったりですね。

藤の花言葉②「優しさ」

ことわざの中に「男は松、女は藤」という言葉があります。
意味としては「男性は大地に根を張る松のように力強く、女性は松につるを絡ませる藤のように男性を頼るべき」というたとえです。ことわざの意味合いは現代に馴染まない気もしますが、いずれにせよ藤の花は昔から女性の象徴として扱われていました。そのため、花言葉の優しさ」は、女性の思いやりや柔らかさを表しているとされています。

藤の花言葉③「恋に酔う」

こちらの花言葉も、昔ながらのお話が関係しています。
歌舞伎には、藤の花の精が若い娘の姿となり踊る「藤娘」という演目があります。「藤娘」の見どころのひとつが「藤音頭」という舞踊です。藤音頭では藤の花の精が、お酒にほろ酔いしながら恋しい男性を想って踊ります。このようなエピソードから恋に酔うという花言葉が誕生したと考えられます。

藤の花言葉④「決して離れない」

最後の花言葉は、藤の花の性質から意味が読みとれます。
藤の花はツタの力が強く、どんどん伸びる性質を持っています。他の樹木に巻きつくとそのまま締め付けてしまい、成長を阻害することもあるそうです。ある意味やっかいともいえる藤のツタの性質が分かると、決して離れないという花言葉がしっくりくるのではないでしょうか。

藤の花の天ぷらが美味しい?毒は大丈夫?

「綺麗な花にはトゲがある」という通り、花は見た目の美しさに反して危険な一面もあります。藤の危険な一面といえば毒があること。
しかし、実は花びらの部分だけであれば、天ぷらや砂糖漬けなど加熱して食べることができます。ただし、たくさん食べると腹痛やめまいなどが現れるとされているため、くれぐれも注意してくださいね。

また、藤の花の毒といえば、欠かせないのは『鬼滅の刃』ではないでしょうか。作中では、藤の花の毒で鬼を倒すなど物語の随所で藤の花が使われています。
つづいては、藤の花と『鬼滅の刃』の関係についてご紹介します。

藤の花再注目のきっかけ『鬼滅の刃』

藤の花

藤は古くから日本に馴染み深い花ですが、ここ数年で老若男女とわず藤の知名度はより高くなりました。
藤の花が再注目されるきっかけとなったのは『鬼滅の刃』の影響です。ここ数年、全国の藤の名所では作品のファンが多く訪れています。ここでは『鬼滅の刃』における藤の花の存在と、その関係性についてお話します。

藤の花が鬼除け・鬼退治の花として登場

作中では藤の花が鬼除け・鬼退治の花として扱われています。藤の花の毒で鬼を倒すだけでなく、鬼は藤の香りを嫌うため、お香や香り袋で鬼を遠ざける描写があります。
鬼は古くから伝説上の怪物として有名なため、藤の花と関連した書物などがあるのではと気になりますよね。しかし実際のところ、藤の花と鬼に関しては明確な記述というのは存在しないようです。近しい話としては、藤は魔除けの花として、邪気や災厄から守ってくれると昔から信じられていました。魔除けといえば、毎年2月の節分で鬼に豆をまく行為もそのひとつです。節分では「鬼を追いはらうために豆をまく」ので「マメ科である藤の花も鬼に効果がある」という風にも考えられますね。

「藤の花の家紋の家」は実在する?

鬼殺隊士の休息の場となる「藤の花の家紋の家」。入り口の門には大きく藤の花の家紋が描かれていますが、藤の花を模した家紋は、現実でも使われている可能性があります。
日本には昔から広く用いられている、10大家紋が存在します。そして、そのうちのひとつに藤の花の家紋があります。藤の花の家紋のルーツは藤原家とされており、現在でも名字に「藤」の付く家では使用されていることがあるそうです。デザインは一緒ではないものの、似た家紋が現実に存在している事実には少しワクワクしますね。
平安時代から江戸時代は、比較的身分の高い家のみ家紋を採用していましたが、明治初頭から一般庶民でも持てるようになったそうです。『鬼滅の刃』の時代背景は大正となりますので、藤の花の家紋の家がそこら中にあっても不思議ではないですよね。

藤の花を見に行こう!絶景の名所3選

最後に、美しい藤の花が見られる全国の名所から、3か所を厳選してご紹介します。
藤の開花期間は、数週間から1か月と比較的短いです。藤のシーズンを見逃さないためにも、早めに行きたいところを決めておきましょう!
それではさっそくご紹介します。

あしかがフラワーパーク/栃木県

あしかがフラワーパーク/栃木県

ひとつめは、栃木県のあしかがフラワーパークです。
これまでに日本三大イルミネーションを始め、米有名メディアCNNから「世界の夢の旅行先10カ所」に選ばれるなど、実力は折り紙つき。夜はライトアップされた藤棚が幻想的で、カップルからファミリーまで楽しめます。また、藤のソフトクリームや豊富な藤の花グッズも見逃せません。

あしかがフラワーパーク
場所:栃木県足利市迫間町607
TEL:0284-91-4939
入園料:シーズンと花の咲き具合により変動
あしかがフラワーパーク 公式HP

※新型コロナウイルスによる営業時間変更については公式HPにてご確認ください。

白毫寺(びゃくごうじ)/兵庫県

白毫寺(びゃくごうじ)/兵庫県

白毫寺の見どころは、花の房がとても長い「九尺藤」。一般的な藤が平均20センチなのに比べ、白毫寺の九尺藤はなんと180センチを記録したのだとか。藤棚から垂れ下がる九尺ふじは、藤でできたレースカーテンのようで目を奪われる絶景です。

白毫寺
場所:兵庫県丹波市市島町白毫寺709
TEL:0795-85-0259
拝観料:大人300円(2021年1月現在)
白毫寺 公式HP

※新型コロナウイルスによる営業時間変更については公式HPにてご確認ください。

岡崎公園/愛知県

岡崎公園/愛知県

岡崎公園は、かの有名な徳川家康が生まれた岡崎城がある歴史公園。公園内は季節ごとに桜や藤が咲き乱れ、自然を満喫できるスポットとしても人気です。岡崎市指定(天然記念物)の「五万石ふじ」と、岡崎城のコントラストはぜひ一度は見ておきたい絶景です。

岡崎公園
場所:愛知県岡崎市康生町561-1
TEL: 0564-24-2204
入園料:無料(園内施設は別途料金あり)
愛知県岡崎市公式観光サイト 岡崎公園

※新型コロナウイルスによる営業時間変更については公式HPにてご確認ください。

春は魅力たっぷりの藤の花を見に行こう

今回は藤の季節や花言葉、絶景の名所などを含め藤の花の情報をまとめてお伝えしました。
藤は毎年4月から5月にかけて咲くことが多く、その時期は各地で美しい藤を眺めることができます。
藤の花言葉は「歓迎・優しさ・恋に酔う・決して離れない」となり、いずれも藤の性質や古来のお話と関係のある花言葉です。
『鬼滅の刃』の影響もあり、藤の名所はこれまで以上に賑わいを見せています。ぜひ実際に藤を見に行ってみてはいかがでしょうか。

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