こんにちは、福祉理美容研究家のライター“はぁもん”です。
早速ですが、ネイルは若い人だけのものと思っていませんか?ネイルを楽しむのに年齢は関係ありません。高齢者でもきれいなネイルを塗ると、笑顔になって元気になります。ここでは誰でも簡単にできる福祉ネイルの効果について紹介します。

はじめに

高齢になった親と一緒に生活し、介護を行っているという方は、毎日気持ちが滅入ることもありますね。少しでも毎日が明るくなるよう、色々な工夫をされていることでしょう。身近なところに彩りがあることで、気持ちが明るくなることもあるように、訪問美容「福祉ネイル」の効果が医療関係者や福祉関係者にも注目されています。

そもそも「福祉ネイル」とは何か?ということですが、一般的なネイルは、メイクアップなどと同様に、ファッションのひとつとして扱われています。若い人や爪を伸ばしているおしゃれな人が使うイメージがありますね。一方「福祉ネイル」は、ファッションとしてではなく、爪にきれいな色をつけることで、明るく元気な気持ちになってもらう目的で行うネイルになります。

「福祉ネイル」という響きは、ネイリストのように何か特別な資格がいるのでは?と思われがちですが、ネイルを施すのに特別な資格は必要ありません。本人が楽しみながらつけても、家族や友人がつけてあげてもよいのです。生活の中に彩りを与える目的で、ぜひ気軽に「福祉ネイル」を始めてみましょう。

1. 今「福祉ネイル」が注目されている【5つの理由】

「福祉ネイル」というと、介護職など、介護分野で働く方たちが、プラスαの知識、技術を習得したいということで、新たに学ぶ方もいて、資格取得をすすめる学校なども増えてきました。医療や介護分野では、以前からQOLが大切と言われていますね。QOL(Quality Of Life)は、「生活の質」「人生の質」と訳されますが、命がある、健康であるということに加え、生活の質が高いことも大切なことで、「美しいもの」を見たり、身に着けたりすることはQOLを向上させてくれます

美しく装う「福祉ネイル」も、QOL向上の効果があることから注目されています。その【5つの理由】について詳しく紹介します。

【理由1】色がもつ心理的効果

福祉ネイル・色がもつ心理的効果

私たちは「色」から様々な影響を受けています。

例えば「青」は涼しく、「赤」は温かく感じます。青い部屋にずっといると、人の体温は下がるという実験結果もあるそうです。逆に赤い下着を身に着けると、体温が上がり、基礎代謝力が上がって健康的になると言われています。おばあちゃんの原宿“巣鴨”には、赤い下着を売る専門店があり、いつも大変な賑わいを見せています。
他にも「ピンク」は子宮の色と言われ、大きな愛に包まれているような安らぎを感じさせる効果があり、「オレンジ」は太陽の光の色なので、明るく温かさを感じさせる効果があります。

一方、色が全くない真っ白な部屋に長時間いると、精神的に不安定になることがわかっています。以前は白一色だった病院も、淡いピンクや水色など、看護師の白衣などに少し色を使うようになりました。

このように、色は様々な心理的な影響を与えるので、プラスの効果がある色を身近に取り入れることが望ましいとされています。一般的に濁りのないきれいな明るい色は、明るく元気な気持ちになる効果があります。高齢者になればなるほど、濁りのないきれいな明るい色、暖色系の色を生活の中にどんどん取り入れていきましょう。

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【理由2】ネイルは気軽に試せる

ネイルは気軽に試せるのが1番の魅力です。
例えば洋服の場合、毎日の生活できれいな明るい色の洋服ばかり着ることは難しい場合があります。着慣れない色の服を着るには勇気が必要ですし、着ても周りから「派手」と言われたり、そもそも新しい服を購入するためには、数千円から数万円の費用がかかります。

ネイルの場合は、洋服に比べて明るい色でもさほど抵抗感がなく、新たに商品を買っても数百円から千円くらいで費用も安くてすみます。特別な技術や能力が必要なわけではないので、誰でも気軽に試すことができ、簡単に取り入れることができます。
自分で塗っても良いですが、高齢者は手が震えてうまくできないこともあるので、家族や知人、友人が塗ってあげる方が安心ですね。
上手に塗ることよりも、爪に彩りをそえることが大事なので、どんどん気軽に試してみましょう。

【理由3】ネイルは常に目に見える

洋服やメイクアップの場合は、鏡を通して自分の姿を見ますが、ネイルを施した指先は常に視界に入ります。
料理をしたり、着替えたり、何かの作業をするたびに自分の爪の色が目に入る訳です。例えベットに寝ていたとしても、自分自身で眺めることができるので場所を選びません。横になっていてもきれいな色を眺めて、明るく元気な気持ちになれます。

私も母が寝たきりになった時に淡いピンクのネイルをつけてあげたのですが、毎日眺めてはにっこりしていました。看護師の方も母のネイルを見るたびに「わー!きれいですね」と笑顔になるので、笑顔の連鎖が起こり、病室はほのぼのとした雰囲気になりました。
いつでもどこでも、場所を選ばず、1日中、常に目に見えるのがネイルの良いところだと思います。

【理由4】福祉ネイルは笑顔と元気を生む

福祉ネイルは前述したように様々な良い効果がありますが、何と言っても1番の効果は、施術された高齢者が笑顔になり、元気になるということでしょう。きれいな色を眺めると、心理的にも明るい気持ちになり、自然と自分の手を眺めるようになります。

福祉ネイルを施術する時に「私は手がしわだらけで恥ずかしい」とおっしゃる方がいます。私は「働き者の方の手ですね」と思わず手をさすってしまいます。ネイルが仕上がると、しげしげと手を眺めてにっこりと笑顔になります。

ネイルを楽しむということは「平和」の象徴ではないかと思うのですが、ネイルを楽しめる時間があるということは、つまり幸せであるということ。戦時中や生きるのに必死な時には、とてもネイルなど頭に浮かぶこともありません。ネイルを眺めながら、これまで必死に生きてきた人生を振り返り、今、平和な時代に生きている幸せに、思いを巡らせているのかもしれませんね。

【理由5】福祉ネイルの手をつなぐ効果

福祉ネイルの手をつなぐ効果

ネイルを塗るためには、相手の手を握らないことには始まりません。
この手をつなぐ、手を取り合う行為によって、思いやりの心が指先から伝わることがあります。

施術者は相手の手にそっと手を添えるように、大切に丁寧に扱うことになり、結果として「尊重されている」「大切にされている」という心理的に良い効果が生まれます。
ネイルを塗るための時間は、十数分程度かもしれませんが、その時間は手を取り合う訳ですから、手のひらや指先からお互いのぬくもりや、優しさが伝わる時間になります。とても幸せな時間が流れるように感じられるはずです。この手をつなぐことによる効果は計り知れません。

2. 誰でも「福祉ネイル」することはできるのか?

福祉ネイルの良さがわかっても、「これまで人に塗ったことはないから不安」という方も多いでしょう。でも心配はいりません。自分自身の爪にネイルを塗ったことがあるならば、ほとんどの方が大丈夫です。自分の利き手の爪を塗るよりも、人に塗る方がよっぽど簡単です。そもそも福祉ネイルに上手い下手は関係ないのです。特別な資格も必要ありません。

まず、「ネイルを塗ってあげたい」という気持ちが大切で、その気持ちさえあれば、誰でも福祉ネイルを施すことができます

3. どのようなネイル商品を選べばよいのか?

いざ福祉ネイルを始めたいと思った時に、どのようなネイル商品を選べばよいのでしょうか。
既に持っているものがあれば、そのネイル商品でも大丈夫ですが、新たに購入する場合は以下のような基準で選ぶと良いでしょう。

【 色 】・・・色がもたらす心理的効果でも触れたように、濁りのないきれいな明るい色、暖色系の色を選びましょう。淡いピンクや肌色になじむようなコーラルオレンジなど、血色を添えるような優しい色合いが特におすすめです。

【ベース】・・・ネイルの塗り方に自信がない方でも、塗むらが目立ちにくいベースのものを選ぶと失敗がありません。古くなって重く伸びにくくなったベースのものや、白っぽいパールが多く入ったものは、筆圧や塗むらが目立ちやすいので避けた方が無難です。なめらかに伸びるみずみずしいベースのものを選びましょう。

【品 質】・・・ネイル(マニキュア)はラッカー塗料などのように、アクリルやニトロセルロースなどの合成樹脂を有機溶剤に溶いた化学成分でできています。爪に対して決して良い成分ではないので、できるだけ爪に負担をかけにくいものを選ぶと良いですね。最近では有機溶剤を使っていない水性ネイルなど、負担が少ない成分で作られたネイル商品もあるので、そのような商品を選ぶのが望ましいでしょう。

4. 「福祉ネイル」で気をつけること

いざ福祉ネイルを行おうと思ったら、気をつけたいことがあります。
爪の状態は、健康状態をチェックするためのバロメーターでもあるので、医師は爪の状態で体調や病状を判断することがあります。ネイルを楽しんでいても、通院時には落とすなど、つけっぱなしにしないようにしましょう。心配な場合は医師にネイルをつけていても問題ないか相談してください。

また、一般的なネイル(マニキュア)は、有機溶剤が揮発することによって乾くので、強い刺激臭があります。部屋の換気を十分に行うことと、できるだけ刺激の弱いものを選ぶようにしましょう。

5. まとめ

福祉ネイルを行うことで、生活に彩りと笑顔が増えることについてお伝えしました。高齢者でもきれいな色を爪に塗ることで、笑顔になり、元気になります。施術される側もする側にも良い効果が得られるので、生活の中で気軽に取り入れてみましょう。ネイルを通じて、笑顔と元気の輪が広がっていくことを心より願っています。

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