アロマやハーブなど、「癒される花」というイメージがある「カモミール」。カモミールは暖かい季節に咲いているのをよく見かけますが、開花時期は品種によって異なります。
この記事では、カモミールの季節や花言葉などをまとめました。カモミールの効果・効能についてもお伝えするため、ヒーリングに興味がある人もぜひご覧ください。
カモミールは品種で咲く季節が異なる
カモミールが咲く季節は、品種によって異なります。ここでは、日本で代表的な品種となる「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」の2種について、それぞれ開花時期をご紹介します。
ジャーマンカモミールの季節は3~5月
ひとつ目のジャーマンカモミールは、3~5月に花を咲かせます。
ジャーマンカモミールは、花の中心にある黄色い部分がぽっこり膨らんでいるのが特徴です。黄色い部分がつまめるくらい膨らんだら、ジャーマンカモミールの収穫期となります。
ジャーマンカモミールは、カモミール特有の青りんごのような香りがします。香りがあるのは花の部分のみとなり、葉や茎から香りはしません。
ローマンカモミールの季節は5~7月
ローマンカモミールの咲く季節は5~7月です。
ジャーマンカモミールより一足遅めの開花となります。湿気が多く暑い季節には弱いため、本格的に夏がくる前までが見頃です。
ローマンカモミールは、ジャーマンカモミールより花が大きいのが特徴です。花の中心にある黄色い部分は、ジャーマンカモミールほど膨らみません。また、ローマンカモミールは花の部分だけでなく葉や茎にも香りがあります。
カモミールの基本情報
ジャーマンカモミールとローマンカモミールは、咲く季節だけでなく属名や原産地など一部違う部分があります。2種の基本情報を以下にまとめました。
ジャーマンカモミール | ローマンカモミール | ||
---|---|---|---|
科目・属名 | キク科シカギク属 | キク科ローマカミツレ属 | |
原産地 | ヨーロッパ、中央アジア、朝鮮半島など | ヨーロッパ、中央アジア、北アフリカなど | |
花の色 | 白、黄 | ||
別名 | カミツレ(加密列) | ||
誕生花 | 2月14日、3月14日、6月16日、11月3日 |
カモミールの花の色は白もしくは黄色となり、非常にシンプルです。
色展開が豊富な花と比べ地味に思えるかもしれませんが、ピュアで潔白な雰囲気が感じられるのではないでしょうか。
なおカモミールの別名「カミツレ」は、オランダ名の「カミルレ(kamille)」がなまったのが由来とされています。
カモミールの花言葉を4つ紹介
カモミールの花言葉は、主に4つあります。
- 「苦難に耐える」
- 「逆境で生まれる力」
- 「清楚」
- 「あなたを癒す」
これらの花言葉は、カモミールの特徴や性質が由来となって付けられました。
「苦難に耐える」「逆境で生まれる力」は、カモミールの生命力の高さを表しています。カモミールはとても丈夫な花であり、たとえ踏まれたとしてもスクスクと育ちます。
「清楚」という花言葉は、カモミールの純白な色から想像される雰囲気や、爽やかな香りが由来となっているようです。
「あなたを癒す」は、カモミールの効果・効能が由来です。カモミールにはヒーリング効果があるとされ、外国では「母の薬草(Mother’s herb)」と呼ばれることもあります。
カモミールの代表的な効果・効能4つ
カモミールに期待できる効果・効能は以下の4つです。
- 安眠効果
- 鎮痛効果
- 抗炎症効果
- 消化促進効果
カモミールの効果・効能を活用すれば、体の不調を緩和できるかもしれません。それぞれの効果・効能について、詳しく見ていきましょう。
参照:カモミール/カミツレ(わかさの秘密)/カモミール(厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』)
1. 安眠効果
カモミールには安眠効果を望めるため、眠れない夜に摂取するとよいでしょう。安らぎ作用によって、心身ともにリラックスして眠りにつけます。
また、寝る前だけでなく、緊張しているときや不安なときにもカモミールがおすすめ。心を落ち着かせ、緊張をほぐしてくれることでしょう。
夜なかなか寝付けなかったり、質の悪い睡眠が続いていたりすると体は十分に休めません。睡眠に関する悩みには、カモミールの安眠効果を活用してみてください。
2. 鎮痛効果
鎮痛効果もカモミールの効能のひとつです。体を温め血行をよくする作用があるとされ、さまざまな痛みをやわらげます。頭痛や月経痛、神経痛などが気になる際は、カモミールを試してみる価値があります。
また、カモミールは肌の健康をサポートする働きが期待できます。そのため、カモミールの成分が化粧品や入浴剤に使われていることも。特に女性にとっては、月経痛や肌荒れなどの解消に繋がれば嬉しいですよね。
3. 抗炎症効果
続いて、カモミールがもつ抗炎症効果をご紹介します。抗炎症効果とは、体内で起きている炎症を鎮める効果です。日焼けやヤケドなどで肌がヒリヒリしたり、肌にニキビや赤みが生じたりするのは炎症の一種です。このような炎症は、抗炎症効果で鎮められます。
また、肌など表面に見える炎症以外にも鎮静効果を発揮します。たとえば、口腔内や消化器系の粘膜の炎症を抑える働きが期待できるでしょう。
4. 消化促進効果
最後にご紹介するのは、消化促進効果です。消化促進効果は、胃や腸など消化器系へ作用します。消化不良の改善に働きかけ、胃のむかつきや下痢症状の緩和などが期待できます。
「最近、胃の調子がよくない」「腸活がしたい」と考えているなら、カモミールを摂取してみるのもひとつの選択肢となるでしょう。
このように、カモミールにはさまざまな効果・効能があります。とはいえ、どのようにカモミールを摂取すればよいのか気になりますよね。続いては、カモミールの摂取方法をご紹介します。
カモミールのリラックス効果を得る方法は?
カモミールを効果・効能を得る方法としては、
- ハーブティーにする
- アロマにする
といった2通りの方法が考えられます。それぞれの摂取方法や注意点などについて見ていきましょう。
※妊娠中・授乳中のカモミール摂取の可否については、かかりつけ医に必ずご相談ください。
ハーブティーにする
カモミールといえば、ハーブティーにするのが有名な方法です。ハーブティーは、コーヒーよりカフェイン量が少なくなります(※デカフェ、カフェインレスのコーヒーを除く)。
そのため、「カフェインをあまり摂取したくないけど、暖かい飲み物が飲みたい」といったときにはハーブティーがおすすめです。
カモミールをハーブティーにする場合、苦味が少ないジャーマンカモミールの方がハーブティーに向いています。市販のカモミールハーブティーの多くは、ジャーマンカモミールを使っているそうです。
アロマにする
カモミールはアロマとして摂取することが可能です。カモミールのエッセンシャルオイルを基礎化粧品とブレンドしたり、バスオイルとして利用したりできます。カモミールの青りんごに似た香りは、以下のようなアロマと相性が良いです。
- 柑橘系
- フローラル系
- ハーブ系
- 樹木系
ただし、エッセンシャルオイルは効果が強く、人によってはかぶれや肌荒れなどを招く場合があります。エッセンシャルオイルの分量調整は難しいため、慣れていない場合は注意が必要です。カモミール成分が入った市販商品を買う方が、自家製よりは安心して使えるでしょう。
使用量を守ったうえで、バスタイムや寝る前にカモミールのアロマを楽しんでください。
カモミールの育て方
カモミールは、自宅の庭でも比較的簡単に育てられます。初心者のガーデニングにも向いているため、以下にカモミールの育て方をまとめました。
種まき時期 | 春または秋に種をまく ・春:3月中旬〜4月頃 ・秋:9月下旬〜10月頃 |
---|---|
日当たり | 日当たりと風通しのよい場所に植える |
土壌 | 水はけのよい土壌にする(ハーブ専用培養土などでOK) |
水やり | 土の表面が乾いてきたら、水をたっぷりと与える |
肥料 | 植え付け時に、元肥として緩効性肥料を与える |
カモミールの種まき時期は、春と秋どちらか好きな季節で構いません。
一般的には、秋に種まきする方が開花まで期間があるため、株が大きく育ちやすいといわれています。
カモミールは蒸れに弱いため、風通しのよい場所を選んで植えてあげましょう。日なたの方がよく育ちますが、半日陰でも丈夫に育ちます。
また、カモミールはコンパニオンプランツにもなります。コンパニオンプランツとは、他の野菜や果物の側に植えることで、虫よけ効果などお互いによい作用をもたらす植物です。カモミールは玉ねぎ・キャベツ・ブロッコリーなどの野菜と相性がよいため、家庭菜園をしているなら一緒に植えてみてくださいね。
カモミールの季節まとめ
この記事では、カモミールの咲く季節や花言葉などをお伝えしました。
代表的なカモミールは2種あり、ジャーマンカモミールは3~5月に咲き、ローマンカモミールは5~7月に咲きます。春から初夏にかけた季節は、カモミールのよい香りが漂ってくることでしょう。
カモミールにはヒーリング効果を期待できるため、ハーブティーやアロマにして楽しんでみてくださいね。
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